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2016.06.05 PICKUP住宅購入
中古物件の取引に求められる住宅診断とは

中古物件の取引に求められる住宅診断とは

住宅の売買をする前に、取引をしたい不動産の状態を把握し専門家によって修繕などのアドバイスを得ることを住宅診断と呼びます。
また不動産仲介業者が消費者へ向けて、商品である不動産のコンディションを明確にする役割も持っています。ここでは住宅診断について紹介します。

ホームインスペクターとは


不動産物件の住宅診断はホームインスペクターと呼称される住宅診断士によって行われます。
ホームインスペクターは中古物件などの現在の状態を一般的に目視で図る専門家です。住宅の健康診断のような位置づけであり、屋根から外壁、屋内の至る場所から床下までの劣化の度合いを診断し、雨漏りの原因を突き止めることや地震にどの程度耐えうる物件であるかなど、診断内容は住宅の安全性にも関連する多くの項目に渡ります。
またホームインスペクターによる住宅診断を高い割合で行っている国もあり、近年では日本でも増加傾向にあります。欠陥住宅の購入を回避したり、購入したい物件のリフォーム時期を知り物件価格を参照することなど、利用価値の高いサービスです。

住宅診断の必要性


中古不動産の住宅診断の必要性を考慮して国土交通省が2016年に不動産仲介業者へ向けて促進する方針を打ち出しています。
不動産取引をする消費者へ住宅診断を行うかの確認を仲介業者に義務付けすることで、若い年代のマイホーム所有促進やリフォーム市場を活性化させる狙いを持っています。
また売買契約に於いて、売り主と購入者が住宅診断の結果を確認し納得済みであることの確認事項を契約書類に明記し、最終的な不動産取引後のトラブル抑制へ繋げることの可能性を図っています。
また日本に置けるホームインスペクターは不動産取引の知識や、住宅の診断方法などの専門知識を一定以上のレベルで求められています。コンプライアンスの観点からも信頼度を消費者へ向けて明示するため、特定非営利法人による資格試験が設置されています。

住宅診断内容とおおよそのコストや所要時間


不動産のホームインスペクターによる住宅診断の項目は多岐にわたります。例えば木造戸建て物件の外周りのチェックでは、外壁や屋根、バルコニーの状態を始め屋外に接する基礎面や軒裏の欠損箇所の有無、雨樋は支持金物など細かな部分までの劣化状況を診断します。
また屋内の状態の診断では、種類が特に多岐にわたる室内の各診断箇所に置ける建材の素材を正しく判断し劣化の度合いを見ます。
その他床下や小屋裏・天井裏などの他に、建築資材以外の給水給湯設備、下水に関連する設備、換気や火災報知器などの設備もホームインスペクターの診断項目領域です。

住宅診断にかかる時間や費用では、約30坪の戸建て物件に対しての所要時間は長くて3時間程度、一般的な価格水準は5、6万円程ですが機材を使った調査の場合や業者でも異なるので依頼前に確認することが必要です。

ただし、既に建設されて一定期間経過した中古住宅の検査やインスペクションは、精度に限界があります。あくまでも、代表的な不具合部分のチェックをするのであり、住宅全てのチェックをしている訳ではありません。
疑問等がある場合は、遠慮せずに売主や仲介している宅建業者に質問や希望を伝え、状況によっては、追加の検査や必要に応じて補修してもらうことが、あとあとのトラブル回避のためには重要です。
以上のことをふまえて、場合によっては検査だけでなく、同時に保証も受けられる中古住宅売買の瑕疵保険に加入できる物件を探すことも必要になってきます。