所得税3000万円の特別控除ー相続した居住用不動産(空き家)を売却した場合の特例ー
居住用相続財産(空き家)を売却した時の利益に対して3000万円の特別控除の制度があるのをご存知でしょうか?
これはご両親のいずれかなど、被相続人が1人暮らしであった(又は老人ホームなどに入所していた)居住用相続財産を売却した際に利用できる制度です。
今までの居住用財産の3000万円特別控除と何が違うの?
今までも、自らが住んでいた不動産を売却する場合には利益に対する3000万円の控除制度がありますが、ご両親などが住んでいた不動産を相続し、それを売却した場合には、税金の優遇がありませんでした。
このため、一般的に相続財産を売却した場合には多額の所得税・住民税が掛かっていました。
相続したご実家を売却すると20%の税金がかかります。
具体的にいくらの税金が発生するのか?
大雑把ですが、例えば2000万円で売れる不動産の経費(取得費、売却費用等)を350万円とすれば、335万円程度の税金がかかります。
つまり2000万円で売却しても手残りは1315万円程になってしまいます(計算式は下記の通り)。
不動産売却の経費(概算)
① 取得費:100万円(買った時の価格が不明な相続財産は売却価格の5%を取得費とみなされます。)
② 売却費用:250万円(建物解体工事130万円、仲介手数料72万円、測量費用48万円)
③ 税額計算:(2000万円-350万円)×20%=330万円+復興特別所得税=約335万円
④ 計算式:2000万円-350万円-335万円=1315万円(手残り)
相続税がかかるほどの財産ではなかったとしても、売却となればしっかりと税金を持っていかれます。できれば税金は少ないに越したことはありませんよね。
期間限定の新制度で所得税がゼロ円になるかも
しかし今、令和5年12月31日までの期間限定ですが、一定の条件にあてはまれば、335万円の所得税が0円になる制度があります。
それが
【 被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例】です。
居住用相続財産を売却した際の利益3000万円までについては無税になるという制度です。
(対象は昭和56年5月31日以前に建築された、区分所有ではない家屋に限られます)
2016年の4月に施行されましたが、あまり認知されていないようで、不動産業者でも知らない方が大半です。具体的なご相談が必要な方はお問合せフォームよりご相談ください。
制度の詳細は下記でご覧になれます。