不動産競売時にかかる強制執行費用とは
競売にかけられた不動産を購入したとしても、強制執行が必要になる場合は少なくありません。
強制執行には費用がかかることも留意しておく必要があります。これはどのような事情により生じるのでしょうか。
競売物件を購入してもすぐに引き渡しされるわけではない
競売物件を落札して不動産を手に入れても、落札できたからといってすぐに引き渡しが行われるわけではないという点であり、強制執行が必要になる場合もあります。
これは不動産競売にかけられる住宅には、住んでいる人がいることが多いからです。
そこからの退居をしてもらわなければならないものの、ローンの返済に困っている人の場合には住む場所がなくて困っているのが通常であり、なかなか退居してくれない場合も稀ではないのです。
また住人が転居していて空き家であっても簡単にはいきません。ほとんどの空き家で家具や衣服、不要な家電などが残置されているからです。住人がいないといっても残置されているものは
個人の所有であり、勝手に処分して後から問題になることもあるからです。
確実に引き渡しさせる手段は強制執行
不動産競売を利用して住宅を落札し、その費用の納付を終えた場合にはその納付日から1〜2か月で明け渡しが完了されるというのが基本的な流れです。
それに従って退居してくれるケースもありますが、やはり住み続けたい、あるいは引越しするお金がないなどの理由を主張して住み続ける人も少なくありません。
自分も住みたいからこそ競売で手に入れたという場合には速やかに退居してもらわなければならないでしょう。確実に引き渡しさせる手段となるのが強制執行です。
債務を持っている人に対して公の立場から強制的に退居を行わせることができるのが特徴であり、裁判所に対して申し立てることによって実施してもらうことができます。
最後の手段として考慮しておくと良いのが強制執行です。
強制執行には多額な費用がかかる
強制執行が最後の手段として捉えておくべきなのは必要になる時間も費用もかかるからです。
不動産競売の購入費用に加えて、さらに強制執行のために多額の費用がかかるのはあまり望ましいことではないでしょう。だからこそ最後の手段として考える必要が生じるのです。
申立手数料、予納金などで10万円程度、ここに残置物を撤去する業者の費用が加わります。一般の引っ越し業者ではなく、強制執行に長けた業者で、通常の3倍程度の費用がかかります。
また、運び出した荷物を1か月程度倉庫に保管し、その後処分する費用もかかります。
荷物が少ない場合でも50万円ほど、荷物が多い場合や技量が必要な物件などは100万円から300万円程度になるのが一般的です。
できる限り強制執行にはしたくありませんので、最初から専門の競売代行業者に依頼するのも有効な手段として考えてみてはいかがでしょうか。