不動産を取得するときは不動産業者に物件を仲介してもらって購入するのが一般的ですが、他にも競売で落札するという方法もあります。

不動産取得の初心者は競売なんてハードルが高いと思うかもしれません。でも、競売を利用すると市場価格よりリーズナブルに取得することが可能です。

銀行などの金融機関に借金をするときは所有する物件に抵当権を付けることになります。借金の返済を滞納するとその物件は競売にかけられます。

市場で売却することを前提としていないため、対象となる物件は不動産業者が取り扱うものに比べてバラエティ豊かです。狭小地や変形地などやや変わった物件もみかけます。もちろん普通の住宅もあります。

住宅ローンを支払えなくなって競売にかけられるというケースもあるので、運が良ければ築浅のマンションを競売で取得することも可能です。

不動産取得の初心者でも手を出しやすい物件があるので、気になる人は競売情報をチェックしてみることをおすすめします。

全国の競売物件の情報をまとめて掲載しているサイトがあります。市場価格より大分割安なのがわかるでしょう。

市場価格より割安で不動産を取得できるのが競売の魅力なのですが、初心者が注意しなければいけないポイントがいくつかあります。

まず、不動産を落札すると所有権は取得できるのですが、必ずしもすぐに引き渡しを受けられるというわけではありません。もし、以前の所有者が立ち退かない場合は、立ち退きを交渉する必要があります。

もっとも、交渉が無理な場合は裁判所に申し立てれば強制的に立ち退かせることも可能です。ただし、強制執行を行うためには高額な費用がかかりますので、注意は必要です。それでも総額としては一般の物件を購入するより安くあがりますから損になるということはありません。

また、住宅ローンの利用が不動産業者から物件を購入するより難しくなるという問題もあります。しかし、絶対に無理というわけではないので、説明すれば住宅ローンの相談に乗ってくれる金融機関もあるので、事前に利用できるか確認しましょう。

競売で不動産を取得したいと思ったらまず情報収集からはじめましょう。競売情報のサイトで入札したいという物件を見つけたら管轄する地裁に行って資料を閲覧します。

3点セットと呼ばれる物件明細書、現況調査報告書、評価書を読むことで物件の状況を詳しく把握することが可能です。

入札するときは売却基準価額の10分の2以上の保証金を裁判所に納める必要があります。なお、落札できなかったときはこのお金は全額返還されます。競売初心者の人はあらかじめこのお金を用意しておきましょう。

無事落札できたら落札代金から保証金を差し引いた金額を支払います。これで物件の所有権が落札者に移転します。所有権移転後は物件に住んでいる人がいれば立ち退き交渉をすることになります。

代行業者を利用すれば入札の最初からお任せなので安心して競売に参加できますし、最後の立ち退きだけなら裁判所の強制執行も利用できるので安心です。