不動産における疑問の一つに、リフォームとリノベーションは一体どう違うのかというものがあります。一見すると非常に似通っている両者ですが、相違点はどこにあるのでしょう。そこで、この二つを詳しく見ていきます。

リフォームは、不動産の状態を元に戻す時に使われます。老朽化していたり、壊れている場所をしっかり直していき、また利用できるようにしていくのです。

マンションなどの集合住宅では、利用していた人が退去した後に次に利用する人のためにリフォームの工事が行われるのが一般的ですが、この工事は原状回復と呼ばれることが多いのが特徴です。

物件を良くしようというよりは、長年住んでいた影響もあり出てきた不備をしっかり解消したいという意図が込められているのがリノベーションとの違いになります。

このため、費用もリノベーションに比べてあまりかからない上、工事の規模も比較的小さく早めに終了して住むことが出来るようになるという特徴もあるのです。

リノベーションは、不動産の改装を行うことによって価値を高める工事を行います。

つまり、戻すのではなくさらに物件を良くしていこうという意図がある時にリノベーションが用いられ、回復の意味合いを持つリフォームとはこの点が違います。

現状からさらに価値を高める工事をするので、当然リフォームよりも費用はかかりますし、規模も大きくなります。設計面において建築家と話し合いをすることも多くなり、工事が終わるまで長い期間を要することもあるでしょう。

しかし、自分の希望通りに物件を改装できるというのは居住の上では非常に魅力があり、好みの物件をつくりたいという考えを持つ人ならリノベーションで得られるリターンはとても大きいのです。

リフォームかリノベーションかを選択する際には、自分の不動産への気持ちが重要になります。

「老朽化しているバスルームを元に戻すだけで十分だな」というように物件の原状回復のみを希望しているなら、リフォームでスムーズに終わらせたほうが時間、費用共に少なくてすみます。

一方、「部屋全体を自分が望む内装にしたい」のようなさらに物件を良くしていきたいという考えがあるなら、しっかりと設計と工事に時間をかけて価値を高めるリノベーションを行わなければなりません。

現在の物件の状態、そしてその物件に対して自分が何を望むのか。整理した上で明確なビジョンを導き出すことができれば、リフォームとリノベーションどちらを行うべきか見えてくるでしょう。